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海獣の子供

スクリーンに広がる海の世界は、どこまでも神秘的で、冒険心を煽られます。かと思えば一気に恐怖を感じ、静けさに放り込まれる・・・
【生命の起源】を掘り下げる、という大きなテーマを持ったこの作品は、繊細な線画使いと、あらゆる〈青色〉に魅了されます!

例えば、雨粒にも命が宿っているような感動、夜の海の美しさと恐怖、深い海の生き物との出会いなどなど、日本が世界に誇るアニメーション制作会社・STUDIO4℃が手がけた映像を存分に体験できます。

原作は、漫画家・五十嵐大介さん初の長編作「海獣の子供」(小学館 IKKICOMIX刊)。

自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生・瑠花は、夏休み初日に部活でテームメイトと問題を起こしてしまいます。母親と距離を置いていた瑠花は、学校にも家にも自分の居場所がなく、父が働いている水族館へ。そこで、魚たちと一緒に泳ぐ不思議な少年「海」と、その兄「空」に出会います。父から「彼等は、ジュゴンに育てられたんだ。」と聞かされた瑠花は、驚きながらも二人に惹かれます。純真無垢な少年「海」と、怖さも秘める大人っぽい「空」。彼等に導かれるように、それまで見たこともなかった不思議な世界に触れていきます。そして、3人の出会いをきっかけに、地球上では様々な現象が起こり始めるのでした。

やがて、世界中を一人で航海する「海のなんでも屋」の女性・デデが登場。彼女は「海」と「空」を見守り、琉花の心に手を差し伸べる大切な存在です。言葉の数々から察するに、実在する女性がモデルなのかもしれません。デデに会ってみたい!
広い海で生きているクジラですが、その歌は『情報の波』であって、お互いに見たことや聞いたことをうた伝え合うのだそう。それに比べたら、私たちの言葉の届く範囲など、どれだけ狭いことか。

ところでこの作品では、3人の個性豊かな演技が光っています。瑠花は、自分の思いを言葉で伝えられず、誤解されやすいタイプ。学校で抱えたものや、家族への思いを一人胸に閉じ込めている。そんな彼女が海洋冒険をしながら、変化していく姿を、芦田愛菜さんが多様な表現力で演じていて、時に大人のような包容力を感じるほど!

瑠花に親しみを持って接する『海』を演じているのは、石橋陽彩(いしばし ひいろ)さん。『リメンバー・ミー』のミゲル役に抜擢された彼が、今回挑戦したのは、ジュゴンに育てられた少年。海の生き物たちと交わる彼のキャラクターは、弾けるように明るく、瑠花への好奇心も自然に伝わってきます。2人の小さなデートは共感を呼ぶでしょう。一方、近寄りがたい存在、兄「空」は、繊細なキャラクターですが、浦上晟周さんがミステリアスに、魅力的に演じています。

    一番大切な約束は、言葉では交わさない

 ミステリアスなストーリー展開は、すぐに答えを求めてはいけない、ということなのでしょうか。海の生き物たちが、日本へ移動を始めるのは何故なのか、ザトウクジラが奏でる「ソング」は、何を伝えようとしているのか。瑠花、海、空の瞳、水族館の亀の瞳、ジュゴンとの出会い、あらゆる生命の物語を聞いてみませんか。(tomon)

『海獣の子供』
6月7日(金)全国ロードショー
配給:東宝映像事業部 
ⓒ2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会